ヒートショックの危険度をLINEで知らせる「入浴時警戒情報」登録者数400名達成

弊社が鹿児島大学 林敬人教授と連携して行っている、LINEでヒートショックの危険度を知らせる「入浴時警戒情報」の登録者数が2024年12月に400名を達成しました。
LINEに登録すると、鹿児島県内のお住まいの地域における入浴時警戒情報が毎日16:00に配信されます。
本配信は2023年11月より実施しており、今年は2年目となります。昨年は、LINE登録者の大半である60歳代以下の年代において、入浴死者数・割合ともに明らかに減少がみられました。
弊社がシステムから得た情報を林教授に展開することによってさらに精度を高め、今後、鹿児島だけではなく、日本全国への展開を目指しています。(別途各県における事例の調査が必要)

▲配信イメージ
▲3段階の危険指数
▲登録用QRコード

【サービス開始の背景と経緯】

毎年冬になると、ヒートショックによる死亡事故が後を絶ちません。
人口動態統計によると、2023年の「不慮の溺水及び溺死」による死亡数8,982人のうち、8割近くの6,333人が浴槽内での溺死及び溺水を原因としており、その9割以上が65歳以上の高齢者です。
ヒートショックの原因は、部屋と脱衣所、浴室や浴槽内の急な温度差による血圧の急激な変化です。北海道や東北などの寒い地域で起こりやすいと考えられがちですが、発生件数は九州や四国の方が圧倒的に多く、鹿児島では毎年200人前後が浴室で突然亡くなっており、その約8割がヒートショックによるものと見られています。

林教授は法医学分野の専門医として、鹿児島県における入浴死の検視事例の調査を行い、ヒートショックで亡くなる方が多い気象条件、年齢、性別、入浴条件等を研究し、その知見を生かして2023年に本プロジェクトを立ち上げました。情報を鹿児島大学のサイトで公開するだけでなく、弊社がシステム開発を担当し、ヒートショックの危険指数をLINEで配信するサービスを鹿児島県内で展開しています。サービス2年目の今年は、昨年より登録者数が100名以上増加し、2024年12月に400名を達成いたしました。

鹿児島県内にお住まいの方がLINEに登録すると、お住まいの地域におけるヒートショックの危険指数を「危険」「警戒」「注意」の3段階で示した情報が、毎日16:00にLINEで配信されます。
毎日自動で配信されるため、登録者にとって手間もなく、自然にヒートショックへの警戒意識を高めることができます。また、入浴時の対策ポイントも確認できるため、ヒートショックの危険性を下げるためにどのように入浴すれば良いのかを知り、行動に移すこともできます。

【これまでの実績と今後の展開】

登録者の年齢やお住まいの地域、入浴方法等のデータを収集し、それを林教授に展開することによって、効果の分析や精度の向上に役立てています。
2023年度の実績として、LINE登録者の大半である60歳代以下の年代において、入浴死者数・割合ともに明らかに減少がみられました。
今後はよりリスクの高い70歳代以上の方々に入浴時警戒情報を広める必要があると考えており、広報活動に力を入れる方針です。
現在の配信対象地域は鹿児島のみですが、データの収集と活用により、今後は対象地域を広げ、日本全国への展開を目指しています。(別途各県における事例の調査が必要です)

【開発者コメント】

高齢者の方々にも安心して使っていただけるよう、国内で95%という高い利用率を誇るLINEをプラットフォームとして選択しました。
特に60代でも86%の方が利用されているという点は、ヒートショック対策が特に重要な高齢者層へのリーチを考える上で重要なポイントでした。
開発においては、個人情報の取り扱いに配慮しながら地域固有の警戒情報を届けることに苦心しましたが、初回利用時の郵便番号登録や地図選択の仕組みを導入することで、この課題を解決することができました。16:00の警戒情報の配信に加えて、いつでもボタンを押すだけで危険度を確認できるという本サービスの利点が、ヒートショックによる事故防止に貢献できればと考えています。

【本件に関するお問い合わせ先】

担当:広報担当者
メールアドレス:ec_public_relations[at]excel-creates.jp
※上記[at]を@に置き換えて下さい